副業にうつつを抜かしてるエンジニアを社長がとっちめた話
株式会社プラハ、代表取締役兼エンジニアの松原(@dowanna6)です。
突然ですが、弊社は血も涙もない会社としてWEB業界で名を馳せております。「社員」とは「家畜」の別称であり、社員の時間は会社の時間。副業なんて以ての外です。副業をしているエンジニアは発覚次第、八つ裂きにしてやりたいと常日頃考えながら目を光らせています。
そんなある日のこと。
あっ!
松原「お前、副業してるな!」
堀「いや、違うんです!これは・・・!」
松原「問答無用だ、こっちに来い!」
副業エンジニア、堀を捕獲しました。よく見れば副業にうつつを抜かしそうな顔をしています。
松原「隠れてコソコソ何をしていたんだ。怒らないから正直に言いなさい」
堀「ennoshitaというサービスを作っていました・・・」
松原「これは一体どういうサービスなんだ」
堀「結婚式の二次会を盛り上げるサービスです。新郎新婦にまつわるクイズを作成して、参加者がリアルタイムに回答できるんです」
松原「ほう・・・なぜそんなモノを作ろうと思ったのだね」
堀「最近周りで結婚式が多かったので、何か身の回りを便利にしたり、人を幸せにするツールを作りたいと考えたんです。知り合いのデザイナーとデータサイエンティストも何か作りたそうな目でこちらを見ていたので、つい・・・」
松原「どうせDMMあたりに売却するつもりなんだろう」
堀「(するどい)」
松原「値段は8167円か・・・割り切れない数字にしたようだな。いいだろう、私が手ずからサービスを体験して、その腐った魂胆を暴き出してやる」
堀「え、使ってくれるんですか」
松原「そうだ。無料アカウントをよこせ。8167円は払いたくない」
堀「(この人、社長なのにケチだな・・・)参加者20名までは無料で使えますよ」
松原「それなら話は早い。まずは使ってみよう」
せっかくなので、最近第一子を出産した「ぜっきー」を祝ってみる事にした。赤ちゃんが可愛い。でも最近は個人情報の保護が何かと厳しいので赤ちゃんの写真は載せません。
ennoshitaには、いくつか質問がプリセットされているので、それらを参考にすれば誰でも迷わず編集できます。質問は「四択」と「マルバツ」のいずれかを、回答時間も10~60秒で設定可能。作成した問題の正答率や回答までの時間を計算して、最後に優勝者を発表する機能も付いているようです。副業のくせに、よく作り込んである。
あっという間に質問の作成が終わった。所要時間は5分程度だろうか。早速、社内メンバーを集めてクイズを始めてみる。
松原「さて皆も知っての通り、弊社にはユダが居た。副業エンジニアが居たのだ」
役員A「それはもう極刑ですわ(ポチポチ)」
松原「市中引き回しの後に八つ裂きにする予定だが、その前に奴が作ったennoshitaを最後に使ってみようと思う。地獄へのはなむけにな。弔いのつもりで取り組んでくれ」
問題を作り終えたら、司会のPCからクイズの参加URLを発行できる。参加者のスマホからURLを入力すると、こんな感じで参加待ち画面に飛べる。
松原「では、第一問!」
「え〜知らない・・・」
「どれも行ってそうだな」
「いらすとや入れてて綺麗」
ちなみに司会のPCには操作画面が表示されているので、スライドを送る、回答を締め切るなどの操作ができる。PC一つで進行も完璧です。最近SPから操作できるようになったらしい。副業のくせにユースケースを網羅している。
松原「ちなみに正解は?」
ぜっきー「浅草です」
松原「あれ、浅草寺じゃないの?」
ぜっきー「浅草寺には行ってません」
松原「どこいったの?」
ぜっきー「覚えてません」
第2問
ぜっきー「ユウって誰?」
松原「ごめん、間違えてデフォルトの名前で問題作っちゃった」
社長がポンコツだったので、仕方なくユウ=ぜっきーと置き換えて回答してみる。
松原「ちなみに、なんて言って告白したの?」
ぜっきー「覚えてないです」
松原「(こいつ何も覚えてないな・・・)」
第3問
ぜっきー「リョウタって誰?」
松原「ごめん、これもデフォルトの名前使っちゃった」
ぜっきー「(こいつ何も学習しないな・・・)」
仕方なく今度はユウ=奥様、リョウタ=ぜっきーとして回答する。ちなみにこの名前は蒼井優と山里亮太から取っているらしい。副業のくせに、時事ネタも取り入れている。
「うわー全員外れたー」
「いつもカルボナーラの話してるのに違うのかよ」
「油淋鶏だけ実写画像な事に気づけばよかった・・・」
第4問
「ぜっきーvim大好きだしな」
「一夫多妻だな」
松原「何も言わずにどうやって結婚するものなの?」
ぜっきー「子供欲しいね〜って話をしたので、ついでに『じゃあ結婚しとくか』って感じで話が進みましたね。なんて言ったかあんま覚えてないです」
松原「(やっぱり覚えてないのか)」
第5問
ぜっきー「これ僕に関係あります?」
松原「優勝者には社会人としての一般常識も兼ね備えて欲しいと思って、こういう問題も入れておいた」
「カナダじゃないの!?」
「カナダって何か喋ってたっけ」
「カナダ要る?」
松原「弊社には一般教養が不足している事がよくわかりました」
ぜっきー「僕もカナダだと思いました」
松原「よくわかりました」
全ての回答が終わり、ついに結果発表が。果たしてぜっきー夫妻に最も詳しいのは誰だったのか。
「お前かい」
「ennoshita作ったヤツが優勝をかっさらっていった」
「でも、ぜっきーの新しい側面が知れて楽しかったね」
「皆で一緒に参加できたからこそ楽しめたよね」
「これは二次会も盛り上がるわ!」
ドンッ!
松原「堀くん・・・」
堀「はい・・・」
松原「感動した」
堀「はぁ」
松原「正直、僕は副業をするエンジニアなんて親知らずより価値がないと思っていた。本業でキリキリ働いて、1円でも多く稼げと思っていた。しかし君の作品を見て感動した。良い物を作りたい純粋な気持ちで開発に励む姿勢、人を幸せにするモノを作りたい、というモノづくりのあるべき姿。僕は感動したっ」
堀「(DMMに売却しにくくなったな)」
松原「今日より株式会社プラハでは副業を解禁する。全てのエンジニア、デザイナーが本業、副業を問わず、世の中に良いものを作り出していける、最高のモノづくり環境を作っていこうではないか」
〜こうして株式会社プラハでは副業が解禁されましたとさ〜
※茶番劇に最後までお付き合いいただきありがとうございます。弊社エンジニア堀が作ったennoshitaは現在も本番稼動中です。ぜひ結婚式の二次会にご活用ください!
※追記:「実演クイズ」というクイズ形式を近日追加予定だそうです。例えば「この中でじゃんけんがいちばん強いのは?」みたいな問題を出して、実際にジャンケンしてから回答を決めるようなクイズ形式。
〜補足〜
株式会社プラハは「モノづくりが好きな人が、純粋にモノづくりを楽しめる環境を作る」ことを目的に設立しました。創業時から副業はもちろん、フルリモートで勤務可能です。ただ、いざフルリモートを始めたら寂しくなってきたので、木曜日は出社するようになりました。
もちろん闇雲に副業をして欲しいわけではありません。本業に支障がない事は前提条件です。しかし副業を禁止したせいで特定の領域に社員ががんじがらめになってしまい、新しいモノが産まれる可能性を摘んでしまっては、社会にとっての損失です。良いモノなら、形を問わず世に送り出されて欲しい。こうした想いから副業を許可しています。
モノづくり以外の不純物を排除するため、人事制度も工夫しています。「社長の給料が一番低い」「社員の給料は一律同じ」「エンジニアは採用面接の時に社員全員とペアプロする」などなど。
現在はスタートアップに特化した受託開発や、エンジニアの信頼を可視化する自社サービスを開発中です。ひょんな事から、来月は宮古島でリゾートワークも行う予定です。興味のある人は、ぜひオフィスに遊びにきてね!