採用弱者の採用方法(母集団形成編)
弊社(PrAha Inc.)は2018年10月にリクルート出身者5名で創業しました。
約2年の採用活動を経て、内定者を含めると現時点のメンバー数は10名。採用経路はこんな感じです:
・一人目:リファラル(社員による紹介)
・二人目:Twitter経由の応募
・三人目:Twitterスカウト
・四人目:Twitterスカウト
・五人目:Twitterスカウト
あと2名ほど選考中の方が居て、いずれも社員によるリファラルです。
採用の全てがリファラルもしくはTwitterという典型的なスタートアップ採用で、今回はそこに到るまでの変遷を「採用弱者の採用方法」としてまとめてみました。
世の中には採用強者と採用弱者が居る
採用強者とは「応募が簡単に集まる企業」です。海外でいえばGAFA、日本で言えばトヨタやリクルート等の大手企業でしょうか。
採用弱者とは弊社のように「会社の存在自体が知られておらず、何もしなければ誰も応募してこない企業」です。
採用弱者が何に困るか。母集団形成です。応募してくれる人が居ないので、選考する相手が居ません。
求人サイトに掲載する
弊社は創業以来、常にエンジニアが不足していたので、まずは試しにベンチャー界隈で名の知れた求人サイトに掲載してみました。
当時の弊社の売りは「自由」であること。
出社時間が自由、有給自由、副業自由、出社は週1回のみなど、とにかく自由で楽しいことを前面に押し出しました。
合衆国の演説のように自由をアピールしまくった結果、サイト全体のランキング2位まで到達し、1年平均で400件近くの応募が集まりました。
「2位じゃダメなんですか おお、求人サイト出稿イケるやん!」と思ったものの、蓋を開けてみると、447応募からの採用はインターンの学生が1名だけ。
他の媒体も試したものの、30名ほどの応募から採用は0名。
スカウトメールも試したものの、50通送って返信は5通程度、採用は0名。
蛇足ですが、履歴書に書いてもいないのに「Javaの経験を拝見して」とスカウトしてくる企業が僕は嫌いです。
逆の立場に立った時、自社が「あぁ、見境も分別もなくスカウトばらまいてる会社ね」と覚えられることだけは嫌だったので、スカウトメールは全てカスタマイズし、相手の情報に全てを目を通し、1通あたり30分から1時間近くかけて書き上げた魂のスカウトを送りました。
にも関わらず、開封も返信もない。
たまに返信をいただけても、当時の弊社は面接過程で業務委託契約を締結し、1ヶ月一緒に働いてから内定を出していたため、選考途中で他社に決まってしまう方が多々おりました。
これは流石に費用対効果が悪いと判断して、現在は媒体出稿は全て止めています。
求人媒体は需要過多のレッドオーシャン
求人媒体は「今の職場に不満がある人」しか登録しないので、そもそもの供給が少ない。
求人媒体に登録したユーザーは、その媒体に登録しているすべての企業からアプローチ可能、つまり欲しがる人が多い。
要は需給バランスの崩れたレッドオーシャンです。少ない登録者を多くの企業が奪い合うため、優秀な人ほど瞬時に転職市場から消えます。
しかも僕らは採用弱者なので、採用強者と媒体上で横並びに比較されて選ばれる確率は低い。
「年収700万円」と「年収1000万円」を並べられたら1000万円の方がクリックされるし、「よく知らない会社」と「誰もが知っている会社」が並べられたら後者に注目が集まります。
「競争が加熱した市場に進出してはいけないんだぞ」と偉い人が言っていたように、競争が激しい場所(求人サイト)で採用弱者が戦うのは得策ではありません。
いかに転職潜在層にアプローチするか
求人サイトも人材紹介も使えないスタートアップは転職潜在層、つまり求人媒体に登録していないユーザにアプローチする手段を探す事になります。
手法は大きく分けて2つ:
・目立つ
・自社に合う人を自力で探して、声をかける
目立つパターンで真っ先に思い浮かぶのは面白法人カヤックみたいな、際立った採用手法や社内制度で目立つ方法です。
弊社も社内ブログを積極的に更新して、僕が土下座したり恥ずかしげもなく変顔を晒す事である程度のアクセスは集まったのですが
昨今は採用に限らずあらゆる企業が「目立つ」ことを至上命令として取り組んでいるため、企業主体のオウンドメディアやらインスタアカウントやら乱立していて、一人当たりの可処分時間や可処分感情の奪い合いが激化しています。
そんな競争に打ち勝って目立てるなら、そちらを事業にした方が良いと思います。
それにウケ狙いの人事制度や採用手法ばかり繰り返して、「良い人を採用する」ことが後回しになってしまうのも考えものです。
なので自社に合う人を自力で探す方向に弊社は舵を切りました。
自社に合う人とは
まずはこれを定義します。
弊社の場合は創業以来「モノ作りが好きな人」と決まっていたので、この一点に絞って探す事にしました。
WEBの世界は日進月歩のため、継続的に学習できる人、努力を努力と感じないぐらいモノ作りが好きなことが重要だと考えます。そうでなければ旧世代の技術に取り残されてしまい、生産性が落ちるからです。
では、ものづくりが好きな人をどうやって探すのか。弊社が注目したのはTwitterです。
Twitterは宝の山
技術的なハマりどころや新しく学んだことをTwitterにアウトプットしているエンジニアが多く、割とTwitterを眺めているだけで「お、この人エンジニアだ」と分かるので、僕はTwitterの住民と化しました。
2019年からTwitterを使い始めたものの、完全なSNSオンチのため最初は「リツイートってなんだ?」とか思いながら地道にツイートを続け
「この人はエンジニアっぽいな」と思ったらフォローする日々が続きました。1年半ほど経過したあたりで、Twitter経由で気軽に多くのエンジニアと繋がれるようになり
求人広告をツイートすると
5万PVほど集まるようになりました。普通の求人媒体に無名企業が140文字の求人広告を出稿した場合、無料で5万PVは間違いなく集まらないでしょう。
ちなみに七夕の日には短冊っぽい求人ツイートをしたり、色々と遊べて楽しいです。こんな求人、審査通りませんからね...
ちなみに今までで一番バズったこのツイート
我が家の愛犬は「おしっこシートにおしっこしたらオヤツをあげる」を繰り返した結果、少量高頻度で一日中おしっこし続ける頻尿犬に成り果てたので、報酬だけを使って生物のモチベーションをマネジメントする弊害を学んだ。
— dowanna @PrAha Inc. CEO兼エンジニア (@dowanna6) October 30, 2019
なぜか560万PV集まりました
560万回も自社名が露出するなんて通常の媒体ではあり得ないので、Twitter国に移住して本当によかったなぁと思いました。「あぁ犬のオシッコの会社ね!」と覚えられる事に、果たして何の意味があるかは分かりませんが。
TwitterBOTを開発
地道にTwitterを眺めてエンジニアっぽい人を探す作業が辛くなってきたので「そろそろ自動化するか」と思い、週末にTwitterアプリを開発しました。
このアプリはTwitterAPIを使用して「特定の単語を多く呟くTwitterアカウントを集計してランキング化」するので、強いエンジニアが使いそうな言葉をよく使うTwitterアカウントの一覧が完成します。
「強いエンジニアが使いそうなワードをよく呟く人」を探すTwitterAppを週末に作ったら、精度がとんでもなく高くて驚いた
— dowanna @PrAha Inc. CEO兼エンジニア (@dowanna6) June 26, 2020
そこからAppにレコメンドされた方の過去ツイート、GitHub、ブログ等を熟読して声をかけているんだけど、弊社のエンジニア採用に関してはこれとリファラルで完璧に充足してるなぁ
あとはランキング上位からTwitterアカウントを覗き、過去のツイート、GitHubやQiitaを読み込み、自社に合いそうな方に声をかけることで、採用活動が効率化されました。
結果的に2期目以降の採用は全員がTwitter経由です。Twitterにいくらか払った方がいいかもしれません。
Twitterの良いところは、何と言っても過去ツイートです。「言葉は身の文」と言うように、ツイートの言葉尻や内容を読めば、批判が好きで攻撃的な方は一目で分かります。
マウンティングが好きな人が一人でも組織に入ると「マウンティングされる前にマウンティングする」負のサイクルが回るため、どれだけ技術的に優れていても、一緒に働きたくない人を組織に入れてはいけません。
その一次フィルタリングとして、ツイッターは良い材料だと考えています。
GitHubの見方
正直、GitHubに関しては「土日に活動しているか」を重視していますが、レポジトリなどは参考程度に覗いているだけです。
エンジニアがPublicレポジトリに掲載するのは、基本的に遊びか実験的な内容だけ。非公開のPrivateレポジトリを見ない限りエンジニアの実力は測れません。そして普通のエンジニアはPrivateレポジトリの中身を社外に漏らすことはありません。
Publicレポジトリを見て実力を判断できるのは一部のOSSコミッターだけなので、OSSコミッターが欲しい場合を除き、GitHubは眺める程度に留めていますが、土日の活動履歴が活発なアカウントは業務時間外も研鑽を続けている証なので、加点要素として扱っています。(土日もひたすら働かされている可能性もありますが...)
ちなみに弊社はエンジニア系の役員4名もこれを体現しており、土日は基本的に会社の仕事とは別に、個人開発や勉強をしています。
弊社の役員4名のGitHubの草を貼ってみるhttps://t.co/k59gOgEIqyhttps://t.co/JjJypnhfEWhttps://t.co/AsatpqnJu1https://t.co/e4oukbiOin
— dowanna @PrAha Inc. CEO兼エンジニア (@dowanna6) July 6, 2020
もちろん草|量が全てじゃないけど、少なくとも常日頃コード書いて土日も学習/個人開発してる経営陣なのは個人的にとても誇らしいので、共有してみた pic.twitter.com/3ru8UibJkg
リファラルに関して思うこと
このように弊社ではTwitterを活用していますが、おそらく最良の採用経路はリファラルです。社員の紹介を経由しているため、信頼できること、技術力が分かっていることは大きなアドバンテージです。
弊社は年間平均で4,5名リファラル経由の応募があります。
当然リファラルはどの企業も出来るわけではありません。「知り合いを勧めたい会社であること」が絶対条件です。
弊社は創業以来「ものづくりが好きな人にとって心地よい環境を作る」ことを目指しているため、
・一人当たり毎月10万円を自由に物作りに使える枠を用意する(ほぼ使われなかったため廃止。数多のラズパイやarduinoが引き出しに眠る)
・出社をなくす(通勤ラッシュが嫌いなメンバーが多いため)
・副業自由(作りたいものが多いため)
などなど、働きやすい環境作りに腐心してきました。
一部企業では「紹介経由で入社したら、紹介した社員にxx万円支給」などの制度がありますが、これは例えば「魅力度が100に到達した会社でリファラルが始まるとして、魅力度99の会社」が取り組むべき施策(最後の一押し)で、
魅力度が20の会社がマネても「仲間は・・・売れねぇ(ドンッ!)」みたいな話になります。
採用は実力主義に移行しつつある
ここ20年の採用は「マーケティング」や「ハッタリの勝負」だったように感じます。
どれだけ内情がひどくても、求人媒体にお金を出して綺麗な求人を載せて、キラキラ社員を前面に押し出せば、採用できる時代でした。
昨今はSNSの普及で個々の発信力が増したことで、嘘や、人事と現場の乖離は看破されやすくなり、ハッタリが効かない実力主義に戻りつつあるように感じます。
特にWEB業界は非常に狭い。めちゃくちゃ活発に情報共有が行われています。
働いて楽しくない会社に人を増やしても、それは目の粗いザルで砂を掬っているようなものです。退職者が悪評を広めるほど、ザルの目も広がります。
「良い会社を作ることが一番の採用戦略」
これが弊社の採用に関する基本方針です。
ちなみに僕が3年半ほど働いたリクルートは退職者を「卒業生」と呼んで快く送り出すなど、退職者との関係性の保ち方が素晴らしい会社です。
以前新卒向けのサービスを作っていた頃、よく大学生の就活相談に乗っていた時期があり、しょっちゅうリクルートを勧めました。本当に多くのことを学べる、良い会社だと思うので。
こうした「単純に良い会社だから採用が強い」パターンが今後は主流化していくのかなと想像しています。
僕たちが独立した時も、退職時に役員も含め多くの方々が「頑張れよ!」「困ったら相談しろよ!」と声をかけてくださり、なんて懐が深いんだろうと感動したことを覚えています。「同期5人で独立します」って言われたら、普通の会社は代表を八つ裂きにすると思います。
この会社が大きくなった時に「リクルートで多くのことを学びました」と言うことが一番の恩返しだと思い、日々勤しんでいます。
求人の4要素
僕は求人を作成するとき、4つの要素で競合と比較しています。
・ブランド
・給料
・仕事の面白さ
・福利厚生、勤務条件
ブランド
言うまでもなく、ブランドのある企業は強い。大抵の人は有名な会社で働きたいものです。自尊心をくすぐられます。
給料
これも重要な要素です。誰だって年収の高い会社で働きたいものです。
弊社エンジニアの年収レンジは540~721万円です。
弊社は全ての開発依頼をインバウンドか紹介で頂いているため営業がおらず、仕事を仲介する媒体なども利用したことがないため、中間コストがほとんどかかりません。
そのため設立2期目の会社にしては社員の給料を高く設定できていますが、それでも上場企業には劣ります。そこで張り合ってはいけません。
採用弱者は、「ブランド」と「給与」の欠点をいかに覆すかが勝負ではないでしょうか。
続く2要素が成否を分けます。
仕事の面白さ
どんなに有名な企業で給料が高くても、肝心の仕事内容が退屈だと魅力は弱まるでしょう。
「仕事の面白さ」は非常に主観的で切り口が様々なので、企業側で事前に定義しておくと良いでしょう。弊社が「仕事が面白い」と定義するのは以下のような状態です:
・新しい事を学び、活用できる
・切磋琢磨できる仲間が居る
・ものづくりの意欲に満ちた仲間が居る
・利用者に愛される、役立つモノを作れる
・友人のような関係性で、互いを尊敬し合いながら働ける
弊社は役員全員が週末も個人開発をしたり、社外でも創作活動に勤しんでいます。
DDDや設計原則など学ぶべきテーマを決めて、社内勉強会で毎週2時間ずつ集中的に学ぶ期間を2ヶ月ほど取ったり、顧客と合同で技術勉強会を開催したり、日々技能向上に時間を割いています。
設計周りのコードレビュー、テストなどをはじめソフトウェアの品質を重視して、良いものを作れる術を身につけられる組織を目指しています。
こうした環境を「面白い」と感じてくれる人が居れば、ブランドや給与面で劣っていても弊社を選んでくれる可能性があります。
もちろん、ここに面白みを感じない人も居るでしょう。お金を稼げることや、どでかいサービスを作れることを仕事の面白さと考える人も居るはずです。
こうした方に対しては今の弊社では給与やブランドを上回れないので、「来て欲しいけど、今は採用できない」ことを受け入れるしかありません。
ちなみに弊社は定期的に自社に関するアンケートをとってます:
勤務環境
遠方の優秀な人に選んでもらうため、弊社は創業以来リモートが基本で、コロナ騒動の前から出社は週1日でした。
弊社には内定者を含めて大阪在住の優秀なエンジニアが2名います。現在選考中の方も、大阪在住の方がいらっしゃいます。
いかにブランドがあり給与が高い企業でも、引っ越したくない人に引越しを強制しては、選んでいただけない事もあるでしょう。こうした方には、リモートで働ける弊社は選択肢に挙がるかもしれません。
出社をやめた経緯には「通勤時間が無駄」と考えたことも含まれています。
弊社は「ものづくりが好きな人」の会社です。通勤で毎日1時間近く無駄にするより、その時間をものづくりに充てたい。
「どういう人を採用したいのか」「採用したい人が魅力に感じる制度なのか」と、制度の枝葉末節にも一貫した意思を通わせることが採用弱者には重要だと感じます。
一方でリモート勤務により社員同士の仲間意識が薄れないよう、週に1度はリモートランチをしたり、定例を行ったり、月に1度の高級焼肉、半年に1度の社員旅行を通じて、一緒に働くことを楽しめる会社作りに取り組んでいます。
弊社としては「友人であり、一緒に働く仲間である」ぐらいの距離感で働きたいため、こうした環境を良しと感じる方であれば、ブランド・給与で劣る弊社を選んでくれるかもしれません。
まとめ
長々と書きましたが、まとめに入ります。
・企業には採用強者と採用弱者がいる
・求人サイトは採用弱者に適した採用手法ではない
・採用弱者が採れる手段は「目立つ」か「自社に合った人を探す」か
・自社に合った人を探す上で、弊社はTwitterを活用している
・リファラルも有効だが、効果は自社の魅力に依存する
・採用は「ハッタリ勝負」から「実力勝負」に移行しつつある
・求人の魅力は4要素で分解して考える
・いかに「ブランド」と「給与」をひっくり返すかが、採用弱者の勝負どころ
そんな弊社は常にWEBエンジニアを募集しております。
面白そうな会社だと思った、仲間と切磋琢磨したい、焼肉が食べたい。
そんな風に感じてくれた方がいたら、ぜひご応募ください!!
www.praha-inc.com
また今回の記事には触れませんでしたが、最近はデザイナーの採用も始めております!!ご興味をお持ちいただいたデザイナーの方がいましたら、DMでご連絡ください!
ソフトウェア発注の心得
この記事は、これからWEBサービスを作る予定があり、その開発を外注しようと考えている企業に向けて綴ります。
ソフトウェア開発は家を建てる作業に似ています。
どんな工務店でも家は建てるスキルは持っているはずです。なのでお金を払えば、あなたが依頼した通りの壁色や間取りで家を作ってくれるでしょう。引き渡しの段階で工務店の腕に差が出ることはほとんど無いはずです。
工務店の腕の差が現れるのは、引き渡しから数年後です。
雨漏りした。床が傾いた。家の間取りを変えようとしたら「この壁を抜いたら家が崩れます」と言われた。素人目には判断できない水面下の手抜きや低品質が時間をかけて表面化するものです。
しばらく時間が経ってから、何かトラブルが起きた時に初めて「あの工務店はダメだった」と分かることが多いのでは無いでしょうか。
ソフトウェア開発も似たようなものです。サービスをリリースしてから一定期間が経った後、もしくはトラブルが起きた時に、初めてエンジニアの腕の差が現れます。
・追加機能を頼んだら「それは仕様変更なので、改修に数ヶ月かかります」と言われた時
・開発に時間がかかる理由を聞いたら「コードが複雑になってきたので」と言われた時
・バグが多い理由を聞いたら「スピードを優先して、テストを一切書いてないので」と言われた時
などなど・・・
では、トラブルが起きる前にエンジニアの腕を見極めるにはどうすれば良いのでしょうか?これも家づくりに例えて説明してみます。
あなたは一戸建てを建てようと考えました。2つの工務店から提案があったとします。
あなたは何の説明も聞かず、安いからと迷わずA工務店を選ぶでしょうか?
恐らくそんな事はしませんよね。家づくりに関して様々なことを調べた上で、各工務店の提案を吟味するはずです。
家屋の設計、工法、法律などの関連知識を身につけ、工務店の担当者と納得いくまで議論するはずです。
そんな時間をかけず、全てを工務店に丸投げする人もいるでしょう。欲しいものだけ伝えて「細かいことは君たち(工務店)に任せるよ!」と。
良い工務店であれば何も問題は起きないのでしょうが、悪い工務店だったら、おそらくカモにされるでしょう。基礎工事は手を抜かれ、無駄な設備をつけられ、可能な限りお金をむしり取られた上で、数年後に床が傾く欠陥住宅を引き渡されるかもしれません。
家の完成度は完全な運任せ、ということになります。
ソフトウェア開発も全く同じです。
発注側がデータ管理の仕組みやプログラミングの基礎的な知識を何一つ調べずに丸投げすれば、全ては運任せになります。良い開発会社に巡り会えればよし。悪い開発会社に当たってしまった場合・・・・言うまでもありませんね。
テストもろくに書かず、スキーマ設計も滅茶苦茶、負債だらけのサービスを納品されるかもしれません。私が知っている酷い例では、海外の安い受託会社にこっそり再委託して、自分たちは何もせず中抜きしている開発会社がありました。勿論バグだらけで話にならない出来だったそうです。
(ちなみにその開発会社は某案件仲介サイトで「星5をつけない限りは納品しない」と発注側を脅したそうです)
今すぐ発注側が自分たちの事業を止めてまでプログラミングを勉強しろ、とは言いません。プログラミングではなく自分の本業に専念したい気持ちは痛いほどわかります。
ですが自身の身を守るためには知識武装が重要です。
深く理解する必要はありませんが「自分はある程度の知識を持っている」と相手に伝わるだけの知識は備えて欲しいと考えています。
少しだけ自分なりに調べたことを開発会社に質問して、相手の反応を見るだけでも十分効果を発揮するでしょう。
「今回採用するアーキテクチャをホワイトボードに書きながら説明していただけませんか?」
「ER図を見ながら大まかにスキーマの考え方を説明していただけないでしょうか?」
「CI/CDの構築を予定している場合、軽く流れを教えていただけないでしょうか?」
ここで大事なのは、発注側が質問の回答を完全に理解する必要はない事です。
悪質な開発会社は「この人は開発について何も知らない」という無知の香りに集まるものです。「開発を少し理解している」と匂わせるだけで自然と離れていきます。
「トンチンカンなことを質問していたらどうしよう」
「答えられても理解出来ないから、聞いても仕方ないかな」
「しつこく聞いたら怒られないかな」
こんな心配はしないでください。
自分の専門について詳しく聞かれて気分を害する人は居ません。プロであれば知っていることはスラスラ答えるし、知らないことは素直に「わからないので調べます」と言う筈です。
発注側には金銭の対価として「質問する権利」も付随することを忘れず、どんどん質問してください。
(勿論、相手の作業に支障をきたすほどの質問はいけませんが・・・)
最低限の開発知識を身につけることには「悪い開発会社を遠ざける」以外にも「良い開発会社と円滑に働ける」効果があります。
どの開発会社と組んでも開発に失敗する発注者が稀に居ます。こうした発注者は例外なく全員が「開発に関して何も知らない」人でした。
「ECサイトを作りたかったんだけど、やっぱりSNSにしよう!」と言われたら、どんな開発会社でもお手上げです。いかに優れた開発会社でも、明らかな無理難題には対応できません。
無理難題を押し付けた結果、せっかく巡り会えた良い開発会社から「もう付き合えません・・・」と言われてしまっては勿体無いですよね。こうした不幸を防ぐためにも、発注側が最低限の知識を持つことは必要だと感じます。
それでは発注側として最低限勉強しておくべき「ソフトウェアの知識」とは具体的にどのようなものなのでしょうか?
これ以上は話が長くなりそうなので、もしこの記事に多くの方が興味を持ってもらえるようであれば、詳しく説明したいと思います。
・少しでも多くの企業が良いエンジニアとつながる
・良いエンジニアが正当に評価される
・より多くのアイデアが形になる
この記事がこれらの一助となれば幸いです。
srcsetとsizesが理解できなかった人のために、日本一分かりやすく解説してみた
レスポンシブイメージとは
- 画面幅や端末(パソコン、スマホなど)に応じて表示するイメージを切り替えること
なぜ重要なのか
- スマホみたいな小さな画面で表示する時に5000x2500みたいな巨大画像を送りつけてしまうと、意味もなく通信時間がかかり、ユーザが可哀想
- 逆にスマホ用の小さな画像をPCで開くと、画像がボケる
- なので表示端末に応じて画像を切り替える必要がある
そのために何を理解する必要があるのか
凄まじく短いですが、今回の記事用にGitHubのレポジトリ作っときました
早速実装してみよう
続きはコチラ...
人生に乱数を入れるデザイナー 〜Youは何しにプラハへ?〜
初めまして、株式会社プラハ代表取締役兼エンジニアの松原(dowanna)です。商標の限界に挑む「Youは何しにプラハへ?」シリーズでは、なぜ株式会社プラハに入社したのか、テレビ東京に怒られるまで社員一人一人に聞いて回ります。
今回の記事では、弊社のデザイナーでもあり紅一点、りかやんに話を聞いてみたいと思います。1週間ほど宮古島に滞在して働いていた時期だったので、今回のインタビューは宮古島からお届けします。
りかやん「よろしくお願いします」
松原「じゃあ早速だけど、どうしてりかやんはPrAha Inc.を共同創業したの?」
りかやん「松原さん。人生の豊かさって、なんだと思います?」
松原「えっ」
りかやん「なんだと思います?」
松原「(質問文に質問文で返された・・・ジョジョ好きなら絶対反応しちゃう・・・)じ、自分のしたことで誰かが喜んでくれた時、豊かな人生を過ごせているなぁと思います・・・!」
りかやん「私にとっては、選択肢の豊かさが人生の豊かさなんですよ」
松原「なるほど」
りかやん「人生の選択肢が多いことが豊かさに繋がる。そう思って、いつもの自分なら絶対に取らない選択肢を取ることを意識しているんです。
前職を選ぶ時もそうでした。工業系デザインを学んだので、周りはメーカー系のデザイナーになる人が多かったので、逆張りでIT系のリクルートを選びました」
松原「誕生日だけ生肉を食べるベジタリアンみたいなイメージだね!」
りかやん「変な例えを挟まなくて大丈夫です」
松原「ごめんなさい」
りかやん「日常生活でも、入ったことない店を選んだり、知らない道を選んでみたり。何かしら自分の人生に乱数を入れて、自分が歩いたことのない道を楽しんでいます」
松原「僕たちは乱数だったんだね」
りかやん「乱数ですね」
松原「実際、プラハという乱数を入れてから人生は豊かになっている?」
りかやん「わかりません」
松原「えっ」
りかやん「その正解が分かるのは晩年じゃないですかね。選択自体は重要ではなくて、選択したあとにやり切ることが大事なんですよ」
松原「なるほど」
りかやん「組織に関しても同じで、多様性(乱数)が必要だと思うんです。例えばプラハには育児中の男性エンジニアが居るけど『子供がうつ伏せになっていることを検知するIoT機器が欲しい』と呟いてたので、育児中エンジニアならではの発想が今後自社サービスのアイデアになるかもしれない」
(子育てエンジニアのインタビューはコチラ)
松原「逆に許容できない多様性はあるの?いくら多様性が欲しいからといっても、自動車のフロントガラスを割るのが趣味です!みたいな人は嫌だし・・・」
りかやん「惰性で働く人はいやですねー。今の会社をベーシックインカムだと思っている人とか・・・人のために何かを作りたい!という情熱は共通して持ちたいんですよね。情熱を持って、楽しく働いて、それでいて人間味がある会社であり続けたいです」
松原「人のために考えて作るというのはPrAha Inc.の社内スローガンにも設定しているけど、どういう人生経験を通じてその価値観が作られたの?」
りかやん「私は大学在学中にスコットランドのグラスゴーに住んでいたんですけど」
りかやん「グラスゴーはイギリスの中でも特に貧困層が多い地域なんです。参加していた半官半民のプロジェクトに参加では、リサーチを通してfuel porvety(燃料貧困=占める光熱費の割合が1/4以上を占めること)を課題として取り上げ、問題解決に取り組みました。
市民はそもそも貧困層生活に無頓着だったり、その問題が存在することを知らなかった。支援者・被支援者・市民・街・企業など様々な視点を1つのサービスにまとめ、市民を巻き込んだチャリティイベントをグラスゴー市役所に対して提案しました。ナイトランやチャリティクラウドファンディングなど、様々な活動を通じて光熱費と貧困に対する気づきを作ろうと工夫しました」
松原「楽しそう」
りかやん「そうしたプロジェクトを通じて、人々がまだ気づいていない問題を顕在化させるのもデザインの力だと気づきました。公共問題の多くは、そもそも問題が表面化していなかったり、複数の問題が複雑に絡み合いながら、社会に大きな悪影響を及ぼしていることが多い。そういう問題に興味を持ち続けてきたのが、人のために何かを作りたいと思う原体験かもしれません」
松原「じゃあ、いつかは公共問題に挑戦したいんだね」
りかやん「人生の長期目標で言えば、そうですね。短期間にはたくさんの手触り感あるサービス開発に関わりたいです」
松原「手触り感?」
りかやん「自分のコントロールが効く範囲の広いサービス、と言い換えてもいいかも。この小さな一分野だけ!という狭い範囲より、このサービスに今一番必要なんだったら、トイレ掃除でもやりまっせ!みたいな、共通認識を持ってなんでも取り組めるチームで働きたいです」
松原「なるほどー。週4日リモートで勤務しつつ週1日だけ集まる自由さと、スタートアップ特化の0->1受託開発と自社サービスを平行開発してチームとしてのまとまりも兼ね備えたプラハなら、申し分ない環境になりそうだね」
りかやん「唐突に宣伝臭さが漂いましたが、そうですね」
そんなりかやんの1日のスケジュール
7:30 起床。最近エスプレッソを淹れるのにはまってる
8:00 コーヒーを入れ直し、作業開始
12:00 ざっくりしたお昼ごはんを作って食べる
14:00 展示を見に出かける
17:00 帰宅して夜ご飯
18:00 作業再開
いい感じの時間か、きりのいいところで切り上げ。
ビールを飲みながらツイッターのネタを考えたり、個人制作をしたり、本を読んだり。
・12時前には寝る。
デザイナーたるものインプットを怠ってはいけない…という義務感と普通に趣味との半々な気持ちでよくデザインやアートの展示に行く
松原「何か最後に言い残すことはありますか?」
りかやん「ちょうど創業する直前に占いに行ったら『今年は大殺界。何をはじめてもうまく行かないから、転職も結婚もするな』と言われたんですよ」
松原「ほう」
りかやん「で、転職したらどうなるのかと聞いたら『まぁ大して続かないよ。もって5年だね』と言われたので、5年も続く会社なら創業してみようかなと」
松原「時間の流れが違いすぎる。ITスタートアップあるあるだ。」
りかやん「大殺界ですが、今後もよろしくお願いいたします」
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株式会社プラハは「モノづくりが好きな人が、純粋にモノづくりを楽しめる環境を作る」ことを目的に設立しました。個人開発も活発で、ゴールデンウィークなどの長期休暇には社員がそれぞれ一人で一つずつ個人サービスを作って、アクセス数を競争します。
モノづくり以外の不純物を排除するため、人事制度も工夫しています。「社長の給料が一番低い」「社員の給料は一律同じ」「エンジニアは採用面接の時に社員全員とペアプロする」などなど。
現在はスタートアップに特化した受託開発や、エンジニアの信頼を可視化する自社サービスを開発中です。個人開発が大好きな人、宮古島で働きたい人、大殺界の人と会いたい人などなど。興味のある人は、ぜひオフィスに遊びにきてね!
プラハでランニングしてたら江戸川に辿り着いた〜なぜ僕たちは走るのか〜
「もっと足を回せ!、、正しいフォームで!、、そう!、プラハのコードに全て単体テストが書かれてリグレッションテストをCircle CIで回しているように、、、」
...
...
...
株式会社プラハ CPO兼エンジニアの篠原です!
今回は株式会社プラハで自然発生したランニング同好会の活動記録を書きます。
ひっそりと活動するランニング同好会
プラハのSlackには #runningチャンネルがあり、実際にランニングしたメンバーは4名!(弊社のメンバーは全員で7名なので、半数以上がランナーですね!)
江戸川マラソン大会に参加してみた
そんなランニング同好会ですが、2019年10月27日(日) に「第40回江戸川マラソン大会」に出場してきました。距離は10km。
参加したメンバーは、篠原、横山、松原、篠原のエンジニア仲間の福間(@r_fukuma) の計4名
会社のみんなとランニング大会に参加するでごわす
— dowanna @PrAha Inc. CEO @逗子 (@dowanna6) October 26, 2019
昨日試しに走ったら筋肉痛でごわす。こりゃ困った、、、#株式会社プラハ #いつかプラハまで走る pic.twitter.com/P9hzUYdVhr
9:00に江戸川陸上競技場に集合し、10:10にスタート!
10kmを完走するタイムは、運動をあまりしない一般男性であれば60分~70分はかかります。
(とある社労士さんから、株式会社プラハ創立1周年記念にいただいた「キューピーコーワゴールド」を朝に摂取したおかげか、私は最高のコンディションでした(1kmの平均タイムが1km毎に縮んだ))
PrAha Inc.の設立一周年を赤坂の焼肉ディナーで祝いました!
— dowanna @PrAha Inc. CEO @逗子 (@dowanna6) October 24, 2019
かれこれ28年生きて来たけど、今が一番楽しい。来年も同じ事が言えるよう頑張るぞい!#株式会社プラハ pic.twitter.com/incKZxKjih
江戸川マラソン(結果)
全員50分~60分台でゴール!
順位は全参加人数1200人中、600番台。39歳以下男子の枠の中では240人中、下から数えた方が早かった....。
悔しさからのネクストアクション!
悔しい思いに打ちひしがれたプラハメンバーは、ある仮説を立てました。
「正しいランニングのフォームを身につければ、もっとタイムが短くなる」
この仮説の元、ミズノのランニングフォーム診断システム「F.O.R.M」を受診予定です!
https://www.mizuno.jp/running/runningform/
「F.O.R.M」はモーションキャプチャで撮影し、正しいフォームと比較してくれるサービス。
こういうテクノロジーがが入っているものには、ついワクワクしてしまうのがエンジニアの性ですね...笑
なぜ僕らは走るのか?
私たちは以前、タピオカの気持ちを知ることができました。
タピオカの気持ちを知るため、私たちは日々コードを書いています。そう、コードを走らせているのです。
そんなある日、私はふと思ったのです。「私たちは走らせているコードの気持ちになったことがあるのか」と。
...
株式会社プラハは、受託開発と自社サービス開発を基本リモートで行います。
1日も外に出ない日もありえるので、健康に気を遣うためにも気軽にできるランニングをしています。(私はもっぱらダイエット目的ですが)。
これ以外の理由としては...
ランニングは楽しい!
ランニング(マラソン)は辛い。けれども、タイムが縮むのが楽しい!
ランニングはストレス発散になる
開発業務を行っていると、設計で悩んだりコーディングで悩むことがしばしばありますよね。こういうときはランニングをしてストレス発散しましょう。
とはいえ、ランニングなんてモチベーションが続かないよ、という我々プラハがやっているモチベーション維持方法をご紹介!
リモートランニング
1人でランニングをするのは腰が重い。そんなときはリモートランニング!
指定した時間から、各自のランニング開始を約束し、お互いに離れたところからランニング。ランニングを継続するモチベーション維持できますよ。
次に参加する大会は...
次は2020年3月8日(日) に開催される、第6回かつしかふれあいRUNフェスタ2020 に参戦予定です!
果たしてプラハメンバーのスピードは向上するのか、、、お楽しみに!
www.katsushika-fureai-runfesta.jp
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株式会社プラハは「モノづくりが好きな人が、純粋にモノづくりを楽しめる環境を作る」ことを目的に設立しました。個人開発も活発で、ゴールデンウィークなどの長期休暇には社員がそれぞれ一人で一つずつ個人サービスを作って、アクセス数を競争します。
モノづくり以外の不純物を排除するため、人事制度も工夫しています。「社長の給料が一番低い」「社員の給料は一律同じ」「エンジニアは採用面接の時に社員全員とペアプロする」などなど。
現在はスタートアップに特化した受託開発や、エンジニアの信頼を可視化する自社サービスを開発中です。個人開発が大好きな人、ランニングが好きな方などなど。興味のある人は、ぜひお話しましょう!
トランペットのバイブスで世界を揺らす男 〜Youは何しにプラハへ?〜
初めまして、株式会社プラハ代表取締役兼エンジニアの松原(dowanna)です。商標の限界に挑む「Youは何しにプラハへ?」シリーズでは、なぜ株式会社プラハに入社したのか、テレビ東京に怒られるまで社員一人一人に聞いて回ります。
今回の記事では、インストゥルメンタルバンド「空間工房」のトランペット奏者でありながら現役エンジニアの弊社CPO篠原こと「しのっち」にインタビューしたいと思います。
1週間ほど宮古島に滞在して働いていた時期だったので、今回のインタビューは宮古島からお届けします。
松原「じゃあ早速だけど、しのっちはどうしてプラハを共同創業したの?」
SHINOCCHI「バイブスが・・・足りなかったからです」
松原「えっ」
SHINOCCHI「前職には・・・いや強いて言うなら世界には・・・クレッシェンドが足りない。厳密にはシンコペーションが足りないと言うか、ドミナントコードがずっと続いているような味気ないモノトーン・・・とでも言いましょうか・・・」
松原「はぁ・・・」
SHINOCCHI「逆に聞きましょう。プロデューサー、あなたはそんな世界で満足ですか?」
松原「え?あ、いや・・・いいと・・・思わないです」
SHINOCCHI「That's right. それでいい・・・いや。それがいい・・・」
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SHINOCCHIとは話が通じないので、ミュージシャン成分を普段の1/10に抑えてもらった「しのっち」に再登場してもらいました。
松原「しのっちは、どうしてプラハを共同創業したの?」
しのっち「僕は個人開発で生計を立てていくのが夢だったんですよね。だから大学時代からプログラミングのアルバイトをしていて・・・」
松原(あ、ちゃんと話ができそうだ)
しのっち「でも大学を出てすぐ自分が個人開発を成功させる可能性は低いだろうと思いました。技術的にも、完全に我流で書き続けて学ぶのも非効率だし。そこで、色んな人に使われるサービスを多数生み出している企業で、技術や企画のプロに囲まれる環境に身を置けば、その勉強ができるかなと」
松原「ふむふむ」
しのっち「とはいえ大企業で働いていると、どうしても自分の意見が採用される範囲には限界があって、気づけばただ言われたものを作っているだけの自分がいました。もっと自分の考えを試したみたい、挑戦したいと思っていた折に、ハンサムで手足がモデルのように長くて知性と品格に満ちたパーフェクト社長から誘いがあったので創業しました・・・あれ、何か勝手に付け足してます?」
松原「気のせいだと思います」
松原「プラハではどんな1日を過ごしているんですか?」
しのっち「だいたいこんな感じです」
1日のスケジュール
8:00 起床。朝のルーチン(※)をやる。
9:30 朝のルーチン終了。シャワー、朝食(松屋かすき家。すき家の混ぜのっけご飯ミニ朝食がおすすめ)
10:00 リモートワーク開始(リモートワーク用のチャットツールを起動)
13:00 昼食(外食)※外食先でそのままリモートワークすることもある
14:00 気分を変えてカフェでリモートワーク開始
18:00 プラハの横山とリモートランニング(※)の約束があるので帰宅してランニング開始
18:30 リモートランニング終了・シャワー
19:00 リモートワーク開始
程よい時間またはタスクが完了した時点で業務を終了し、個人開発をやったり、録画したアニメを観たり。
※朝のルーチン
・トランペットの基礎練
・ニンテンドーSwitchのリングフィットアドベンチャーでダイエット活動
・プランク運動
・読みたい本を読む
・TODOの確認
※リモートランニング ... 別々の場所で一緒にランニングを開始すること
松原「自分の考えを試したい、という欲求はプラハで満たされていますか?」
しのっち「そうですね。「ボタンの位置はこっち?」みたいな話だけではなく、『こんなものがあったらいいよね』『こうしたら誰かが喜びそうだよね』とか、何を作るべきかまで一緒に考えて会話できるのは楽しいです。
最近だとサービス開発に止まらず、社内にリモートワーク用のチャットツールをいれてみたり、discordで会話する業務フローをいれてみたり、みんなが働きやすい環境づくりにも自発的に挑戦しています。チームを作るのも「ものづくり」の一つですからね。サービス開発の延長線上みたいな感じで楽しんでいます。」
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立ち話もアレなので、宮古島のビーチを探して、そこでインタビューを続行することに。
松原「じゃあ、続いての質問・・・」
しのっち「あの、その前にどうしても気になるので聞いてもいいですか?」
松原「ん?」
しのっち「 くだけ過ぎじゃないですか?」
松原「地に足つけた経営が良いってよく聞くから、地に背中つければもっと良いでしょと思って・・・」
しのっち「全然わかりませんが、まぁいいです」
松原「こういうモノを作りたい!みたいな思いはあるんですか?」
しのっち「基本的には人のためになるモノを作りたいですね。お金の匂いがするプロダクトは苦手です。」
松原「お金の匂いですか?」
しのっち「ビジネスをする上でマネタイズをすることは、会社やサービスを運営し続けるためにとても重要だと理解しているのですが、もっと儲けようとか、人の欲を刺激してお金を払わせようとするサービスが苦手です。儲けるためのサービスではなく、人を幸せにするためのサービスを作っていきたいですね。個人的な哲学ですが、人を幸せにした結果、対価としてお金が巡ってくるものだと考えています。例えば、Wantedlyのような働く人の想いをベースにしたサービスは理想的だと思います。
受託開発をするときも、金は弾むからとっとと言われた通りに作れ、みたいな仕事は苦手で、こういう人が困っているのでこういうものを作りたいから一緒にやろう!みたいな仕事が好きです。プラハは単価ではなく「面白そうか」「人の役に立つか」「一緒にモノづくりを楽しめそうか」という観点で案件を選んでいるので、やりやすいですね」
松原(あ、しのっちも砕けた)
しのっち「会社も同じで、お金が欲しいとか、お金を稼ぎたいとか、そういう匂いのする会社は好きじゃなくて。それよりは純粋にものづくりが好きな人とか、個人開発が大好きな人が集まる会社にしたいですね」
松原「3年後はどんな人になっていたいですか?」
しのっち「あ、このサービス作ってるんですね!知ってます!って言われたいですね。
僕は小さい頃すごく太ってて、そのせいかあまり周囲と馴染めなかったのが今でもコンプレックスで。自社サービスも受託でも構わないのですが、自分が関わったものを大きくして、見返したい!みたいな気持ちが、心の奥底にあるんだと思います」
松原「そんな不屈の闘志が潜んでいたんですね・・・」
SHIのっち「やっぱ舐められっぱなしじゃダメというか」
SHINOっち「それに対してNo Doubtじゃ居られないというか」
松原「おや?」
SHINOCCHI「やられたらやり返す・・・Double tapでFeelingをGroovingで
SHINOCCHIが顔を出してきたので、ここでインタビューを打ち切りました。
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株式会社プラハは「モノづくりが好きな人が、純粋にモノづくりを楽しめる環境を作る」ことを目的に設立しました。個人開発も活発で、ゴールデンウィークなどの長期休暇には社員がそれぞれ一人で一つずつ個人サービスを作って、アクセス数を競争します。
モノづくり以外の不純物を排除するため、人事制度も工夫しています。「社長の給料が一番低い」「社員の給料は一律同じ」「エンジニアは採用面接の時に社員全員とペアプロする」などなど。
現在はスタートアップに特化した受託開発や、エンジニアの信頼を可視化する自社サービスを開発中です。個人開発が大好きな人、宮古島で働きたい人、トランペットを吹きたい人、などなど。興味のある人は、ぜひオフィスに遊びにきてね!